June 2026

  • 【移転のお知らせ】奥間から、もとぶへ。

    このたびOkuMasaは、7月をもちまして国頭村・奥間での営業を終了します。今後はもとぶ町「しゃぶ匡」へと場を移し、営業させていただくこととなりました。 まずは、決して便利な場所ではないOkuMasaへ、わざわざ足を運んでくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。 何度も、何度も。通ってくださった方々がいました。大切な人を連れてきてくださった方々がいました。料理だけでなく、店や人としての在り方まで見てくださった方々がいました。 それは何より、私たちの励みになりました。 国頭村・奥間での挑戦は、琉球古民家やしゃぶ匡で個人が培ってきた島の食卓と空間を、国頭村という土地へ移し、ひろげる試みでした。 島食材。空き物件の活用。観光と地域をつなぐこと。若手育成。国頭村への思い。 それらを、ひとつの店として立ち上げ、ひろげる試みでした。そこには、確かな意義がありました。 どれも軽い言葉ではありません。どれも、本気で向き合うべき言葉でした。 奥間という場所でなければ生まれなかった時間がありました。国頭村でなければ見えなかった景色がありました。 同時に、国頭村には、外から見える美しさだけではない現実もありました。一つひとつは小さく見えても、店を続ける日々の中では、すべてが現場へ集まってきます。理念は、現場を持たなければ形になりません。そして現場は、一人ひとりの営みの上に成り立ちます。 本来なら、「地域社会、行政、所有者、投資家、現場を支える人、育てる人、見守る人」それぞれの役割が必要だったのだと思いますが、実際には、その多くが一つの現場へ重なっていきました。そして、その現場を、私が一人で引き受ける場面が増えていきました。 これは、私一人の力が足りなかった、誰かが悪かったという話ではありません。ひとつの構想でも、ひとつの心身だけで支え続けることはできない、ということでした。 それでも、国頭村で店を立ち上げ、あたたかく人を迎える時間を作りました。そこで出会えた方々。もう一度来てくださる方がいました。誰かを連れてきてくださる方がいました。 それがあったから、続けたかった。それがあったから、終える判断は簡単ではありませんでした。 OkuMasaを、美しい言葉だけで閉じるつもりはありません。使って費やしたもの、背負ったもの、失ったものは小さくありません。 OkuMasaで過ごした時間を、成功や失敗という言葉だけで整理することは、今の私にはできません。奥間での日々は、痛みも損失も含めて、私の判断の根幹を深く変えました。 何を信じ、何を一人に背負わせてはいけないのか。人を迎える場所を、どう守り、どう続けるのか。その問いを、私はこの土地で受け取りました。 理想は、語るだけでは人を助けません。形になって初めて、人を迎えます。形を失えば、どれほど美しい理念も、誰かの負担になります。 OkuMasaは、そのことを教えてくれました。だから私は、奥間で生まれた火を持ち帰り、継承します。 これからのしゃぶ匡は、OkuMasaを経たあとの新しいしゃぶ匡です。 あらためて、OkuMasaに関わってくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。 足を運んでくださった方。任せてくださった方。力を貸してくださった方。心配してくださった方。そして、うまくいかなかったことも含めて、奥間での日々を共にしてくださった方。 今度は、しゃぶ匡でお会いできたら嬉しいです。ひとりひとりの気持ちに、少しずつ応えていきます。

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